NEVERMIND

仮面ライダー、映画、スポーツ、ゲーム、少女漫画、音楽、

the salovers という 青春

 

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今回は僕が、ロックが好きになって、バンド音楽を聞き始めて、最も好きになったバンドの話をします。

 

当時たしか中二か中三、僕は閃光ライオットという10代の音楽甲子園みたいな大会に出てたバンドを追っかけるのにはまっていた。

 

そこで閃光ライオット2009、審査員特別賞の「THE SALOVERS」というバンドに出会った。

 

このバンドのギターボーカルは古館佑太郎、そう、あの古館伊知郎の実の息子だ。世間にピックアップされる場合には、この部分ばかりが強調されていた気がしないでもない。

 

まあとにかく、僕は最初にこの曲に出会う。

 

https://youtu.be/qHMO4QAboDo

 

この曲を17歳で書いたという事実に驚きを隠せなかった。当時の僕と数年しか年が違わないのに文学性の高い歌詞、異国情緒が漂いながら昭和の日本を感じさせるようなメロディ。特に秀逸だと感じた部分が、

 

「真夜中に キッチンで ブラッドオレンジジュースを飲み干した 僕は 悪魔のよう」

 

これ、真夜中に喉が渇いて、冷蔵庫を開けジュースを飲んだら、口からこぼれてしたたったというだけの歌詞なのに、オレンジジュースではなくブラッドオレンジジュースであることからブラッド、つまり血(blood)を連想させ、そのあとに 僕は悪魔のよう という言葉を繋げる。何気ない、蒸し暑い真夏の夜の情景が立体的に浮かび上がる。本当に初めて聞いた時は衝撃的だった。後に、この歌の歌詞をスクールオブロックサカナクションの山口さんが取り上げ、古館と対談する。

 

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僕は趣味で曲を作ったりするのですが、その原点はサラバーズですね。こんなシンプルな歌詞とメロディで、良い作品ができるのか!と思い、自分も作りたいと本屋で作詞、作曲本に4000円溶かしたのを覚えている。

 

あと、ボーカルの古館さんが読書家で、作詞の原点は村上春樹吉本ばななと言っていたのをインタビューで見て、それらの本をひたすら読んだのを記憶している。(たしか中三の夏で計20〜30冊くらい

 

僕はわりと友達同士でやってるバンドが好きで、このサラバーズもそう。慶応幼稚舎からの友達とか、みんないわゆるボンボンなんですが、ボンボン故の空しさみたいなものも歌詞に表れている。

 

しかし、2015年3月に彼らは解散した。

当時腰抜かすほどショックだった。

理由は、制作が思うように進まず、ややメンバー間の関係が悪くなり、それなら音楽を無理にやるよりも親友でいたいから、ということだ。いかにも彼ららしい。

 

それに伴い、大阪、東京でラストライブが行われた。僕は大阪の方に応募したが、外れてしまった。

とこらが、父が僕が外れた時のためにこっそり応募してくれていて、それが当たったのだ!!

 

ライブはあまりMCもなく淡々と進んだが、音に気持ちを表わそうと全身を尽くしているのが不器用でまっすぐな彼ららしかった。特にくるりの東京のカバーは武者震いした。

 

まさにサラバーズは僕にとって青春だった。そして彼らは僕の青春の一ページとしてこれからも残り続けるのだろう。いざ、サラバ。

 

最後に、僕が死ぬほど辛くなったときに吹き飛ばす曲を紹介します。以上。

 

https://youtu.be/MWcsqmj1C6I

 

 

 

 

変身と変心 今更仮面ライダー鎧武を見終えて

 

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放送当時デザインが好きになれず全く視聴していなかった仮面ライダー鎧武を見終えた。

 

僕はクウガやアギト、ビルド、Wなどの比較的シンプルなデザインが好きだったからだ。

 

Amazonプライム・ビデオで三週間くらいで見切った。

正直、ここまですぐ見終わってしまうとは思わなかった。というのは話が素晴らしく面白かったからだ。

 

ユグドラシルが管理する計画都市沢芽市では、ティーンエイジャーのダンスチームによるダンスバトルが大流行。その勝敗をきめるために謎の生物インベスを呼び出すインベスゲームが行われていた。チームガイムのリーダーが失踪し、彼を探す中で主人公の葛葉紘汰が不思議な空間の割れ目から迷い込んだのはヘルヘイムの森。そこにはインベスとたくさんの謎の果実があった。その森の謎、ユグドラシルの秘密、アーマードライダーに込められた意図などさまざまな問題と向き合っていく中で、物語は進んでいく。

 

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仮面ライダー作品の中でも特に主人公の葛葉紘汰の葛藤が激しく描かれていたように思う。紘汰は自分の中で許されない罪を背負ってしまい、戦い続けること、自分の目指すことに常に迷っていたように思う。そんな中で安直に割り切るのではなく、自ら落とし所を探しながらゆっくり前に進んでいく。その姿が人間らしく、泥臭い主人公として魅力的だった。

 

また主人公だけでなく、それぞれのキャラクターがアーマードライダーへの「変身」と人間としての「変心」を目指して今を戦っていた。それがこの作品の一番重要なテーマでありメッセージであると思う。

 

例えば仮面ライダーグリドンの城之内は、最初はただひたすらコスいやつだった。仲間が戦っていても我関せずといったスタンスでダメダメなキャラだった。しかし、ブラーボとの出会いでパティシェ修行を積み、仲間の窮地の中で徐々に「変心」していった。ネット上では裏の主人公と呼ばれている。

 

そして最も主人公の側におり、共闘してきたミッチの裏切り、そしてそれを許す終盤の紘汰もアツかった。すべてをかなぐり捨てて、マイを守ろうとするミッチの姿も、ベクトルは違えど「変心」だったのだ。あと、僕は大きな勘違いをしていた。

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そもそもデザインがめちゃくちゃカッコいいのだ。 特にメロンをモチーフにした斬月はめちゃくちゃかっこいい。戦極ドライバーの変身サウンドも好き。オレンジ!ロック、オーン!ソイヤ!

オレンジアームス、花道 on stage!

このオンステージがガイム当初のダンスバトルとかかっているのが○(途中からダンス関係なさすぎてビビる。

 

本当に、それぞれのキャラクターがわかりやすく、それでいて話は壮大で予想がつかない。脚本は平成仮面ライダーのなかでもTOP3に入る素晴らしさだと個人的には思っている。仮面ライダーの脚本の多くは子供番組と割り切ってしまうのがもったいないほど緻密かつ面白いとおもっているが、ガイムは特に顕著だ。

 

当初は大人たちが子供たちのダンスバトルをガキの遊びだと笑い、バカにしていた。だがその大人たちも倒れ、人類の命運は子どもたちに託される。

 

子どもから大人への変心、神話の世界、禁断の果実、ライダー戦国時代、さまざまな要素が絡み合った上でこうもうまくまとまっているのは素晴らしい。ちなみに脚本を書いた虚淵 玄は魔法少女まどか☆マギカfate/zeroで有名だ。

 

余談ではあるが、仮面ライダージオウのガイム編をあらためてみるとバロンの変わらなさに驚いた。

 

ヘルヘイムの森に迷い込んだときに一目見たら絶対に食べたくなる果実を、軍隊の訓練のお陰で口にせず怪人にならなかったブラーボが一番気に入りました。おわり。